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実験動物由来のアレルゲンとその制御
(欧米の現状)

2007 年 5 月 23 日 第 54 回 日本実験動物学会ランチョンセミナーにて

James Wallace, Science Associate

講演要旨
実験動物由来のアレルギーおよびそれに附随する職業性喘息は実験動物の仕事に携わっている人たちにとって非常に一般的で深刻な職業病です。
実験動物に暴露されている人々の10-30%が実験動物由来アレルギーにかかっていると思われます。アレルギーにかかっている人の10%が動物アレルゲンが原因の職業性喘息になるといわれています。
実験動物由来のアレルギーも職業性喘息もいったんかかると治りにくい病気です。そして、動物アレルゲンの安全濃度はわかっていません。
動物アレルゲンのような職業性呼吸器感作物質からスタッフを保護しなければなりません。
実験動物由来のアレルギーの問題は何でしょうか。個人にとっては症状がいつまでも治らないこと。転職の必要性が出てくることです。施設にとっては、スタッフに制限を受けます。病気による欠勤者が出ます。
げっ歯類およびウサギのアレルゲンの特徴は何でしょうか?アレルゲンはげっ歯類の唾液、皮膚屑、尿、組織、血液中に存在します。ラットとマウスのアレルゲンは非常に強力です。ラットとマウスでは雄のほうがアレルゲンをたくさん放出します。動物アレルゲンは呼吸器感作物質であり安全濃度がわかっていません。アレルゲンは粘着性があり、頭髪、衣服、塵埃などに付着します。
人がアレルゲンに接触すると、感作が起こり、アレルギー反応をおこし、やがて職業性喘息に発展します。
アレルゲンとの接触は空気中のアレルゲンを吸い込んだり、皮膚が接触したりすることによっておきます。
すべての人が感作されないという安全濃度はわかっていませんが、 <5-6 ng/m3 だと感作のリスクが統計的に減ると言われています。職業的に暴露される濃度は実用的にできるだけ低くする必要があります。目標はできるだけゼロに近づけることです。
動物由来アレルギーの症状を示す人の中には職業性喘息にまで発展する人がいます。症状はいつまでも続き、死に至る場合もあります。
動物アレルゲンへの暴露は次のような作業に伴って生じます。低または中等度の暴露は、動物室、処置室、廊下、ケージ洗浄エリアで起きます。高度の暴露は、ケージのクリーニング、動物のハンドリング、ケージ洗浄中、投薬、剖検などで起きます。わかっていないのは、エレベーター、管理室、休憩室、機器のメンテナンス、衣類、修理スタッフなどです。
アレルゲンへの暴露を減らすためには、個別換気ケージ(IVC)を使用しアレルゲンの室内への漏洩を減らす、防御着やマスクの着用により人による接触を減らす、ケージ交換ステーションや床敷処理ステーションの使用により作業に伴う暴露を減らすことができます。
アレルゲンのモニタリングによって存在するアレルゲン濃度を知ることができます。モニタリングデータによってアレルゲン暴露のリスクを評価し防御対策の効果を知ることができます。
シールセーフプラス・ケージはケージのフタとケージ本体のシールが改善されています。ケージのフタには大きなフィルターが装着されています。このケージシステムおよびCS5ケージ交換ステーションを使った場合の周辺における空中アレルゲンを測定した結果をお示しします(データ省略)。


2007 年 5 月 23 日 第 54 回 日本実験動物学会ランチョンセミナーにて

Paolo Tamborini, Tecniplast

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