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Paseo del Rio の遊覧船にて

NIH・AALASツアー2002
by

(株)アニメック 富 田 久 志

恒例のアメリカ旅行

わたしはアメリカに旅行するとき、1ドル100円で計算をしてしまいます。それは概算を把握するためですが円安のこの時期にこのような計算をすると思わぬムダ使いをしてしまうことになります。今回1ドルを円換算すると122円前後ですから25ドルの買物をすると3.050円となり2.500円くらいだと把握していれば550円の誤算です。皆様旅行時には電卓を持参した方が無難かもしれません。

さて、今年も恒例でありますアメリカの旅へ出かけてきました。10 月24日出発11月1日帰国しました。昨年にくらべれば平穏のように思われましたが、そうでもありませんでした。ワシントンあたりで狙撃事件があり、我々の到着前日も近くで狙撃があったようでした。到着日に容疑者が逮捕されたという生々しい状況でした。

 

 

11月25日(金曜日)NIH研究施設を見学しました。

今回は数年前見学した施設49号棟(国立 Eye 研究所)を再度見ることになり、前回は米国の器材会社の紹介だったため、紹介者側の納入した部屋を中心に見学していたことが、今回の見学でわかりました。今回は見学箇所が多く、午前中に終えなければならないこともあり見学のスピードが早く、その場での質問時間がほとんどとれない状態でした。ひととおり見学が終って、何か質問は?と担当者に言われた際も何を質問したかったのかを忘れてしまうほどでした。

49号棟(国立 Eye 研究所)
 

動物がナンバーワン

施設内では動物がナンバーワン、快適環境下において実験がすすめられているように思えました。施設で働く人々もすばらしい!!

IVC(個別換気ケージ)

マウス・ラットの飼育装置はIVC(個別換気式飼育システム)が中心になっていた。給水は自動化されていたが、使用したりしなかったりと統一されておらず、大半は給水ボトルで飼育されていたように見えました。マウス室で試験中のケージには触れないようにと注意がありました。そうです、ラフな格好で入退室できるということはケージと人が接触するところが危険ラインなのです。ゴム手袋ごしで手指消毒後ケージをワークベンチに移動し、はじめて動物に触れることができるのです。

エンリッチメント

サルケージには色々なエンリッチメントグッズが入れてあったり吊るしてあったり様々でした。グッズは当社が販売推進しているBio-Serv社製のものではないかと思われます。グッズを置くだけではなくケージにも工夫をこらしてありました。

サルケージ

ケージは日本でいう2段式ケージを横に連結したタイプのマルチケージ的なものが多く、前面にはサル捕獲用ボックスやパスボックスが取付け可能なタイプでした。動物園にあるような大型檻もあったりして、ここが研究所内であることをに忘れてしまいそうになりました。

日本人研究者

研究室、コミニティーホール、通路などでたくさんの日本人研究者に出会いました。まだ NIH に来られてもないガンの研究者(日本人)のお話を聞かせて頂くことができました。ことばの面で大変ですと本音をチラリ。しかし研究の方は軌道にのってきたとのことで安心しました。日本との違いは、見切り発車的な治療が可能性を求めて瞬時に実施されているように感じました。

その他

手術室、手術準備室、解剖室、洗浄室、テレメトリー室、飼料保管室など見てきました。私の得意分野ではないのでコメントは控えますが、飼料保管室、洗浄室は少しだけ解説しますと、飼料保管室ではなく飼育資材保管室で、床敷き、餌、雑品などが保管してありました。餌は小動物用、サル、ウサギ用などが混在していてストックは約一週間分とのこと。空調は常温のような気がしましたが良くわかりません。資材は30センチくらいかさ上げしたステンレス棚の上に積まれていました。

洗浄室には大型ケージワッシャーとラックワッシャーが設置されていて、大きさには訪問のたび驚かされます。ラックワッシャーの中に照明が装備されていた事と、緊急時ワッシャー内からドアが開けられるノブも装備されているなど、細かな事ですが重要なことではないでしょうか。

学会登録風景

October 27 - 31, 2002

昨年はテロ騒ぎで参加者が少なかったAALASでしたが、今年はたくさんの人々が各国から参加しておりました。30日行われましたAAALACの昼食会で国別参加者数(AAALAC昼食会招待者のみ)の紹介がありました。色々な国から参加されている事がわかりました。今年は日本からの参加も多く色々な施設の方々とアメリカでお会いしました。今回、日本クレア(株)さんがAALAS展示に参加しておられました。世界にはばたいて下さい。 

今回は展示、学会発表、ポスター発表を中心に参加してきました。

10 月27日(日曜日)

学会登録

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AALAS主催のウエルカム・レセプション

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10 月28日(月曜日)

器材展示会見学

奧の Automated Library Style というラック・システムが注目を浴びていました。写真または青文字をクリックしてみてください。

セミナー:ビル・オートメーション化における IVC(個別換気ケージ)を聴講

IVCシステムについては種類とエアーフロー、給排気の種類などが各種比較されていました。ラック側で独自で給排気するタイプ、給気はラック側で排気は建物側へ間接接続式(建物排気に完全接続しない)給排気共建物側に接続するタイプなど様々な方式の紹介がありました。ネガティブ、ポジティブの問題も扱われました。スライド原稿のコピーをいただいてきましたので、ご要望があればご報告にまいります。

ポスター発表の資料集め

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10 月 29 日(火曜日)

器材展示会見学

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サンアントニオ市内観光

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Tecniplast 社の招待パーティー

イタリアワインとチーズをくみあわせたプライベートパーティーで Marriott Riverwalk River Terrace Room にて 5:30PMオープン, 盛大でした。

Lab Products 社レセプション

Marriott River Center, Grand Ballroom にて 6:30PM から開催されました。AALAS 開催中のパーティーではいちばん豪華で、おつまみ、飲物、催しとも最高でした。

10 月 30 日(水)

セミナー:施設の計画とデザインを聴講

動物実験施設設立計画から設立までの流れを実例をもとに講演していました。計画は色々な面から検討するため各ポジションからスタッフを繰り出して検討するようです。長い間練上げられたのち建設にかかるようです。計画から着工までの期間は日本より長いように思われます。自動給水のパイプラインや監視システムも発表されました。なかでもフラッシングをしなく循環式でカバーする方式には驚かされました。

国際昼食会(AALAS, AAALAC, ICLAS の共催)

合衆国以外からの参加者が招待されました。世界中から参加者がありました。
食事中、アメリカの方から日本はなぜAAALACの認証をとらないのか?の質問には答えようがありませんでした。ちなみにお隣の韓国では5つの事業所が認証を取得したそうです。来年も同じ質問をされたら同じ回答になるのでしょうか。

サンアントニオ市内観光

アラモの砦、リバーウオークなど

学会レセプション(スポンサー Harlan)

学会主催のさよならパーティー。供出された商品のサイレント・オークションというのがありました。 Harlan はこのパーティーのスポンサーをするほか、10月27日~10月29日の間、ヒルトン・ホテルにて連夜、ミニ・パーティーを開いていました。私はヒルトンに泊まっていたのでそこで最後の仕上げをして寝ました。


アラモの砦

 

セミナー:施設の計画とデザインを聴講しながら以下のようなことをメモしました。

施設を建設する場合下記の順序で行う

  • プラン作成
  • プログラム作成
  • デザイン検討
  • 製作
  • 細かくニーズを反映するためにプロジェクトを結成する。

    メンバーは研究者、ケアスタッフ、建設設備側(設計者含む)、空調、電気給排水、色々なプロ集団を結成し多方面から検討をすることが重要。

    ユーザー、アドミッション、サポート、オペレーター、ファシリティースタッフ

    検討項目

    スペース ビルサイズ 研究所タイプ
    インテリア、火災関係、電気、水道、機械、
    研究所の安全性 例/非常通路、転倒防止など
    ケージ数/43.000ケージ 年々増加する傾向あり。
    ケージ間寸法/シングルラック間1.54mダブルラック間0.914m

    プロジェクターで写し出された画面から

  • 電話にプロテクターが取り付けされていた。
  • 壁厚/鉛筆2本分くらいの厚さであった。
  • 排水床下はUトラップが採用されていた。
  • 各部の目地にシールすることが重要 
  • 廊下中央に区域をわけるため柵がみられた。
  • 壁プロテクター床から250mm~300mmくらい 台車があたらない高さ。
  • コーナーステンレス当て板が取り付けされていた。
  • 洗浄室床/タイル 壁はペイント ブロックではないかと思われる。
  • 手で操作しない手洗 
  • HVAC ヒーティング ベンチレーション エアーコンディショニング  10~20/H 照明400ルックス(測定方法The Guide参照)
  • 検討はケージレベル、ラックレベル、部屋レベル、エリア別、全体の順におこなう。

    以上は講演を聞きながらメモした事項です。多少の聞き間違いや意味のわからないところがあるかもしれませんが、皆様の想像でカバーして下さい。

    来年の AALAS はシアトルで開催されます。日本からの飛行距離はあまりありません。ぜひ皆さんも参加してみては如何でしょうか?


Paseo del Rio (River Walk)

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