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ミーティングが行われた Palace Grand Hotel Varese

Tecniplast/Iwt ディーラーズミーティングに出席して
(株)アニメック 代表取締役 富田久志


ウエルカムランチパーティー

第6回Tecniplast/IWTディーラーズ・ミーティングに出席してきました。IWTはTecniplastの洗浄/消毒部門です。

9月28日、ウエルカムランチパーティーから始まりました。このパーティーは人種の見本市とでもいいましょうか、イタリア以外から94名の参加でした。アメリカ、カナダ、イスラエル、インド、シンガポール、中国、台湾、韓国、日本といろいろな人種がそろいました。Tecniplastが世界を広くカバーしていることをあらためて認識しました。

 


レーザーカッティングマシン

昼食後は、IVC(個別換気ケージ)用ラックの組み立て工場を見学しました。ここは最新式のオートマチック式レーザーカッティングマシンを導入しています。ステンレススチール製の角パイプが自動的にカットされ穴を開けられ、曲げられる部分の内側だけが三角に切り取られていきます。切り取られた部分が曲げられ一本の角パイプから1個の四角いフレームが作られます。切られた部分はオートマチックマシンで共付け溶接されます。1本の角パイプですから溶接された部分は盛り上がりもへこみもバリもありません。眼で見ても指先で触っても接続部は判然としない仕上がりです。まるで大きなステンレススチールの塊から彫刻によってラックが切り出されたようです。

 


出荷を待つ IVC ラック

何本ものパイプから手溶接で作られている製品と見比べてみましょう。堅牢性、正確性、耐久性にすぐれるばかりではありません。溶接部の不具合によって飼育係が怪我をすることもありません。

またオートメーションマシンを使えるということは世界的にそれだけの数量が販売されている証拠でもありましょう。継ぎ目を感じないラックの秘密を実感できた見学会でした。


セミナー風景

2日目 午前中は参加者全員を対象にセミナーが開催されました。

まずTecniplastの社長から当社が実験動物関連機器の世界におけるトップメーカになりえた秘訣というお話がありました。成功するためには投資、イノベーション、研修(トレーニング)そしてサービス(ビフォアーおよびアフター)が必要であるとのことでした。この中でも研修がとくに重要であると強調されていました。たとえ施設に投資し、研究開発によってすぐれた革新的な製品が生まれても、その情報を的確にお客様にお伝えすることができなければ、何一つ使っていただけません。競合が激しく、製品の数が多くなり複雑となり、プロジェクトが大きく、お客様のニーズが高くなっている状況において研修がきわめて重要であるとのことでした。

研修のあり方についての特別セッションもありました。このディーラーズ・ミーティングはマネジャー以上を対象にして1年半ごとに開催されますが、この間に新人研修、セールスマン研修、エンジニアー研修などが年間スケジュールに従って多数開催されています。いろいろな外国メーカーとおつきあいがありますが、これだけ研修に力を入れているところを知りません。Tecniplastが世界のトップメーカーである理由の一端を知りました。


ホテルからヴァレーゼ湖を見おろす

イノベーション

Sealsafe IVC(個別換気ケージ)のコンセプトを真似たミーツー製品が多く出まわっています。真似られても怒ってはいけません。怒っている人は好かれません。それよりも常に一歩先を歩いていればよいのです。

会場に白い布をかけられて置かれていた物体が、会議中にそのベールを脱ぎました。開発担当者達が紹介されました。みんなが拍手をもって迎えました。IVC(個別換気ケージ)におけるイノベーションです。次世代IVCです。詳しくは近くお知らせすることになるでしょう。

 


工場見学風景

午後

Tecniplastの工場に移動し小グループに分かれて現物を前にしてワークショップ形式の研修が行われました。

まずは、Sealsafeケージとラックのバリデーションの方法を教わりました。

 


一連の Sealsafe ケージシステム

Sealsafeの何を売るかいわゆるセールスポイントに関するディスカッションが行われました。グループの参加者1人1人がSealsafeの特徴を1つずつ聞かれました。次のような特徴が模造紙に列挙されていきました。
1)陰圧と陽圧の切り替えができる。
2)軽量である。
3)スタンドアロンブロワーユニット(スリムライン)
4)騒音が少ない。
5)給水ボトルがケージの外にある。
6)臭いが室内に出ない。
7)アレルゲンが室内に出ない。
8)ユーザーにフレンドリーである。
9)アラームが異常を知らせる。
10)異種動物を同一室内で飼育できる。
11)多機能である。フレキシビリティが高い。
12)同一面積あたりの飼育密度が高い。
13)気流の流れが動物にやさしい。


パワーポイントによる説明

Sealsafe の特徴それぞれについての詳細や他との関連性についてディスカッションが行われました。このなかで6)と10)は間違いであるとの指摘を受けました。フィルトレーションでは臭いを除去できない。どうしても臭いが室内に出てしまう。同じ理由から異種動物を同一室内で飼育すると動物が出すフェロモンなどを他種動物が感じてストレスとなる。異種動物の同一室内での飼育はお奨めできないということでした。

13)の気流がケージトップから下方に向かってやわらかく流れる方式はSealsafeのユニークな特徴であり動物福祉の観点からも大きく訴求すべきであろうということでした。


下部の白い部分が簡易冷却装置

代謝ケージの糞尿サンプルの簡易冷却装置のデモンストレーションがありました。大型の冷却装置を必要としない小規模な代謝実験にぜひお奨めしたいと思いました。

 


IsoCage を分解、組み立てているところ、

最後に、ケージレベルでのアイソレーターIsoCageとその専用ケージ交換ステーションの操作方法について実機を使って練習させられました。

 


ゼブラフィッシュ飼育装置

3日目

新製品であるアフリカツメガエルとゼブラフィッシュの飼育装置の発表がありました。従来の一般的な実験動物すなわちマウス、ラット、ウサギ、イヌサルなどの哺乳動物の使用が世界的に減少傾向にあるなかで、水生動物の実験動物領域における使用が世界的に増えています。Tecniplastの製品は、Sealsafe個別換気ケージと同じコンセプトから、水の浄化装置が水槽ラックからセパレートした独立型となっています。レイアウトなどフレキシビリティーが高くなっています。水生動物に関するECの基準を満たしていること、動物福祉に配慮していることが強調されていました。日本でも大いに普及できるものと感じました。

 


ゼブラフィッシュ飼育装置(2)

次に床敷処理のパイピングによる中央集中方式が紹介されました。大規模施設にご紹介したいと思いました。

中規模施設のためのセミオートマチックボトリング装置が紹介されました。給水ボトルの脱キャップ、排水、洗浄、すすぎ、充水、キャッピングが半自動で行うことができます。給水ボトルのハンドリングは煩わしい作業の1つですが、これによってかなり改善することができます。

午後はIWT社(Tecniplastの洗浄/消毒機器部門)に移動し、午前中に説明のあった水生動物飼育装置、床敷処理システム、ボトルハンドリング装置について実機を前に研修を受けました。

 


新しいケージ交換ステーションを眼で見て手で触って

4日目

ケージ交換ステーションの新しい軽量コンパクトな製品が紹介されました。従来のインターラクティブな両面アクセスのタイプのものとは異なり、この新製品は四方が開放されておりより作業がしやすくなっています。ISO14644-1準拠の仕様です。

 


ホテルの庭園にて

その後ケーススタディということで、ドイツのある大学、アメリカのベーラー医科大学、イタリアのナポリ大学、オランダのユトレヒト大学シンガポールのバイオポリス研究所など大型プロジェクトに対するTecniplast/Iwt 製品の納入事例が紹介されました。

価格競争に巻き込まれることなく、いかにトータル(性能、品質、耐久性、人間工学、納期、ビフォアー&アフターサービス、情報そして妥当な価格など)としてお客様に満足して頂いたかを、皆さん、自信と誇りを持って報告していました。

 

明日からのエネルギーをたくさん吸収できたたいへん有意義なディーラーズミーティングでした。

 

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