さて、私が実験動物用エンリッチメントディバイスに興味をもったのは、1997年アメリカ実験動物学会(AALAS)に参加したときです。開催地はカリフォルニア州アナハイムでした。学会展示のなかでエンリッチメントディバイスを見つけたのがはじまりでした。製品の種類はいまのように沢山はありませんでした。ペットショップでよく見かける商品のようにも思えました。アメリカに行くときにチャンスがあれば大学や公的施設、製薬会社などの動物施設を見学しました。ほとんどの施設でケージ内に1個ないし複数の環境エンリッチメントディバイスが入れられていたことには驚かされました。
資料やサンプルをアメリカから持ち帰って国内のお客様に説明してもなかなか理解を得られませんでした。エンリッチメントディバイスを入れてどのような効果がありますか?食べてしまってもデータに影響はありませんか?おカネと手間がかかるでは?さまざまな意見をいただきました。欧米で理解されているものでも、日本国内に広めることは容易ではないことを痛感いたしました。
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