利点
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欠点(要注意点)
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感染(交差汚染)を防止します。
- ケージ単位でバリアが形成されているので貴重な(ユニークな)トランスジェニック動物を交差汚染から防止します。
- 起源やソースの異なる動物を同一の室、同一のラックで安心して飼育することができます。
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ワークベンチが必要です
- ケージ交換や実験操作のためにケージを開けるためには清浄空気が送られているワークベンチなどが必要です。
感染実験に使用してはいけません
- 高レベルの病原体やハザード物質の投与は想定されていません。
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収容能力が増大します
- 従来のラックの棚部分がなくなり1台のラックに多くのケージを収容することができます。
- したがって、動物室内の収容密度を増加させることができます。
- したがってトランスジェニック動物の増加に伴って必ずしも施設を増設する必要がありません。
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熱負荷を検討する必要があります
- 能力限界の温度制御をしている施設では動物が発生する熱負荷を考慮する必要があるかもしれません。
換気式ケージシステムは高価です
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ミクロ環境が改善されます
- ケージ内のアンモニア濃度、炭酸ガス濃度が極端に減少します。
- ケージ内アンモニア濃度の検出可能日が遅れます。
- 新鮮な空気が常時送られ、温度、湿度も一定です。
- ケージ間のバラツキが少なく安定した実験結果が得られます。
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以下の点に注意します。
- ケージごとの換気回数の調節には専門的知識が必要です。工場出荷時に検査済みのものがお勧めです。
- 送風が直接動物にあたらないようになっているかどうかを確認します。
- 新生仔やヘアレス・ミュータントでは乾燥しすぎに注意しましょう。
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ケージの交換頻度が減少します
- アンモニア濃度を指標にした場合、週1回またはそれ以下の頻度に減らすことができます。
- 省力的です(交換、洗浄、消毒の回数)。
- 床敷の必要量も減少します。
- オートクレーブの回数が減るのでケージの寿命が延びます。
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ケージの交換頻度が減少します
- 床敷の種類や装置によって異なるので施設ごとに決定します。
- 動物に触れる回数が減るので、毎日の観察を綿密にします。
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動物の逃亡防止に役立ちます
- ケージにはフィルタートップが載っており、ラック内ではさらにキャノピーで覆われているので、トップが外れることもありません。
- ラックへのドッキングを確実にするために、確実手動ロックがついているので、多少の揺れではケージが外れることはありません、
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以下の欠点が予想されます。
- ケージのトップからの観察が難しいので、給餌器や給水ボトルを奥に移すなどの工夫が必要です。
- ロックを確実にする工夫が必要です(手動&目視確認)
- ラックから外したときの対応が必要です(前室など)
- ケージの交換に手間がかかります。
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作業環境が改善されます
- 室内の空気が清浄になります。
- アレルゲンなどの放出がなく健康的です。
- つなぎ服の着用や入室時のシャワー浴はかならずしも必要ありません。
- 飼育管理や実験操作が快適です。実験パフォーマンスが向上します。
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- ラックの排気を建物の排気ダクトへ直接連結することもできます。
- 給気ターボと排気ターボの運転音が気になるかもしれません。(低騒音タイプのものを選ぶ。動物に対する影響はないといわれる)
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コスト節減につながります
- 新設の場合、動物1匹あたりの建設コストが低減します。
- 動物数が増えても必ずしも建物を新設する必要がありません。
- 既設の施設の場合、空いた部屋を他の目的に使用できます。
- ケージ交換や洗浄に要する時間が減るので、その時間を精密飼育や実験に向けることができます。
- 床敷の量や、ケージの更新のコストが減少します。
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- 換気式ケージシステムは高価です
- ワークベンチが別途必要です。
- 交換用フィルターのコストが別途かかります。
- ラックは複雑な構造になっているので洗浄・消毒が困難(オールアウト時以外は設置場所での清掃、清拭で十分)
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